【サッカー】ホームレスワールドカップ(Homeless World Cup)とは?【貧困問題】
- 2021.06.22
- サッカー
- homeless, homelessness, homelessworldcup, poverty, soccer, socialissue
こんにちは。
現在台湾でワーキングホリデーをしているKENZOです。
私には”サッカーを通して世の中の様々な問題を解決する”という一つの夢があります。
大学時代にはスポーツマネジメントを学ぶ中で様々なスポーツイベントについても触れてきました。
その中でサッカーは世界各地で人気のあるスポーツであり、
何より幼い頃から「する・みる・支える」といった様々な観点から関わってきたサッカーの可能性は無限大だと思っています。
このサッカーを通して今現在世界各地でどのような取り組みが行われているのかを個人の研究として調べ、
また、私のブログを読んでくださるみなさんにも「こんな取り組みがされているんだよ」ということを共有できればと思います。
では、今回は私が大学時代から興味を持っている”ホームレスワールドカップ(Homeless World Cup)についてシェアしていきます。
ホームレスワールドカップ(Homeless World Cup)
ホームレスワールドカップ(Homeless World Cup)とは?
みなさんはホームレスワールドカップ(※以下HWC)というイベントを聞いたことはあるでしょうか?
4年に1度開催されるサッカーワールドカップはメディア露出も多くご存じの方は多いと思いますが、
HWCはサッカーに興味がある方でも聞いたことない方が多いと思います。
まず、HWCとは、
2003年から毎年開催されているホームレス状態の方を対象としたサッカーの世界大会です。
参加資格は
・16歳以上
・前年に国の定義として認められるホームレスとして生活していたor路上誌販売で主な収入を得ているor難民申請者または難民申請を以前していたor現在薬物中毒またはアルコール中毒のリハビリ中で、過去2年間の間でホームレスの経験がある
・過去のHWCへの参加経験がないこと
過去のHWCへ参加したことがない人を対象としているのは、より多くの人に参加の機会を持ってもらいたいということと、大会参加をした方にホームレスからの脱却をしてもらうことを大会目的の一つとしているためです。
2003年大会はオーストリアで開催され18か国148名のプレーヤーが参加、2019年大会はイギリスのカーディフで行われ、50か国以上500人以上のプレーヤーが参加しました。
2020年大会はフィンランドで開催予定もコロナウイルスの影響で断念されました。
しかし、決勝予定日であった7月5日にオンラインで各国代表のリフティング対決、元プロサッカー選手による過去大会の試合解説、著名人によるホームレスや貧困問題に関するディスカッションなどが行われました。
本大会ビジョンは「ホームレスのない世界」とされています。
ミッションは「ホームレスの人達の生活を変える」「ホームレス経験者に対しての見方や態度をを変える」とされています。
あいにく、2021年の大会もコロナウイルスの影響で今年2月に中止が決定しました。
2022年大会については引き続き計画中とのことなので、
2022年大会の概要など発表があればまたそちらは別の記事で紹介していきます。
どうやって大会は成り立っているの?
ホームレスの方達を対象としたサッカーの国際大会ということで運営状態など気になるところだと思います。
このHWCはHomeless World Cup Foundationによって運営されており、企業や個人からの寄付金、著名人からの支援金、サポーター、各国ホームレス支援団体、NGOなど様々な支援を受けて成り立っている大会です。
収益として上がってきたものに関してはホスト国のStreet Football支援団体・組織などによってその後のホームレス支援へ活用されるようです。
どうやって選手は大会参加までに至るのか
HWCに参加する選手は、その国ごとのホームレス支援組織やStreet Soccer団体・組織によって選ばれます。
HWCは国際大会なので海外への渡航ということで殆どの場合パスポートの取得や渡航費、現地滞在費などが発生します。
公式HPによると、基本的にパスポートの取得支援や現地までの航空券や同行は各国の支援団体によって、現地での食事や宿泊施設に関してはホスト国が手配するということになっているようです。
そして、ホスト国・市の様々な団体によって大会運営への協力がされています。
日本チームの参加は?
日本チームは”野武士ジャパン”として
2004年スウェーデン大会
2009年ミラノ大会
2011年パリ大会
以上の3大会にこれまで参加しています。
これまでの大会では日本の選手平均年齢は他の国々と比べて最年長。
直近のパリ大会では「自力での1勝」を目標に取り組んでいたようですが、
その1勝をあげることはできませんでした。
大会中は選手間で意見や想いのぶつかり合いもあったように選手全員が一生懸命戦っていたようです。
勝ちをあげることはできませんでしたが、
選手によっては個人賞をもらう
チームの頑張りを賞として受け取る
会場から「ニッポン!」コールが轟く
など、日本チームの良さを現地では存分に発揮したようです。
私自身は現地にも行ったことがないため、
いづれコロナウイルスが落ち着き大会が開催されるようになればぜひ一度日本チームの応援に行きたいと考えています。
野武士ジャパンのHPもあるのでご興味のある方は覗いてみてください。
大会実施による効果
HWC公式HP上で確認できます(英語のみ)
様々なバックグラウンドを持ち、それぞれが困難な状況にいる中、
HWCを通して多くの人がポジティブな影響を受け、また、観客や視聴者のホームレスに対する見方を変えたり、ホームレス問題への関心を高めたりするという効果もあったというデータが見られます。
大会パートナー
大会運営に欠かせない費用やその他サポートをしているWHCのパートナーは以下の通りです。
・UEFA(大会費用/ギフトキット)
・ACTGLOBAL(試合会場のターフ)
・FIFPRO(運営費/大会の表彰”FIFPRO Award”)
・PEOPLE’S POSTCODE LOTTERY
・COOPER SOFTWEAR(デジタル関連)
・the Metropol University College(理学療法士の派遣)
・SPORTS PEFORMANCE PARTNER(選手のデータ分析)
また、現在74か国74の組織団体がHWCとパートナーとして動いています。
各国1団体がHWCへのチームの参加をサポートしており、
日本では、ビッグイシュー基金ジャパンがチームを支援しています
ビッグイシュージャパンは他にも、ホームレスに限らず、様々な背景を抱える人たちへのフットサル交流大会「ダイバーシティカップ」を開催しています。
「ダイバーシティカップ」に関してはこちらのダイバーシティサッカー協会HPに詳しい内容が載っています。
日本のホームレス事情
日本も3度の大会参加経験があり、
今後もホームレス、貧困問題改善に向けて非常に期待できるHWCについて紹介してきました。
そして最後に日本のホームレス事情についても簡単に共有していきます。
日本では、厚生労働省の調査(2021年1月)によると3824人がホームレスとして路上で生活しているという統計が出ています。
統計上では年々ホームレス人数は減ってきてはいますが、統計上に含まれないネットカフェ難民やその他統計上に出ていない人数もかなりの数がいると推定されており、年々減ってきていると言ってもまだ多くの方が困難な生活を送っているのが現状です。
また、日本全体の問題でもある高齢化社会において、ホームレス自体の年代も高齢化してきているようです。
日本ではホームレス、貧困問題についてあまり国民の意識が向いていないように感じます。
私自身も地元徳島ではホームレスの方を見ることもなく、
大阪などに出て初めて日本にもホームレス状態の方がいることを知りました。
アメリカでは2017年の調査によって553,742人ものホームレス状態の人たちが暮らしていると言われています。
また、世界で最もホームレス状態の人が多い都市がフィリピンのマニラで310万人、その中に7万人の子どもも含まれています。
ホームレスの人が多い国と比べると日本の数値が低く感じられるかもしませんが、
HWCのビジョンである”a world without homelessness”のように、
日本のホームレス人口がこれから更に減っていくようにしなければなりません。
最後に
今回はHWCについてご紹介しました。
私自身こういった社会問題を解決するための取り組みに興味があるものの、
まだまだ中身を知らない、こんな活動知らなかったというものばかりです。
今回紹介させていただいたHWCやそれに付随する活動についても私自身これから更に調査を進め、
いずれは実際に活動に関わることでみなさんにより詳しくわかりやすく紹介できればと思います。
HWCはサッカーを通して社会問題を解決しようと試みている非常に興味深い大会、組織だと思いますので、
ご興味のある方はぜひみなさん自身でも色々と調べてみてください!
では今回はこのへんで
Seeya:)
KENZO
-
前の記事
台湾ワーホリ 高雄でサッカー始めました! 2021.04.23
-
次の記事
オーストラリアワーホリとサッカーチームへの参加 2022.12.08